民主主義について

民主主義に対して悲観的な書き物が目立つ気がする。いくつかのパターンの論調があるから一言では片付けられないし、国内外を問わない傾向であることも少しは知っている。最近の日本のもの(想田和弘『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』を読みました)には、昨今の政治に関する動きへの強い危機感が見えて、共感せずにはいられない。

分かる。分かるよ!

もっとも、日本の場合、捨てるも何も、民主主義は根づいたことがないと思われる。「アメリカ人を模倣するとき、われわれは半分だけを取り入れ、他の半分を省略しましたが、この半分こそ、市民が政治について率直に語り合うという文化であり、民主的なるものとして法の形成に貢献しそれを尊重する精神なのです。」

しかし、われわれの世代、すなわち、生まれたときから「日本は民主主義国家です」といわれて育ち、民主的な法制度が完備されていることも知り、とくに法学など学んで、日本は少なくともシステムにおいては欧米と変わらないものを持っているはずだと信じてやってきた者が、いざ社会の中心で活躍する年代にさしかかって世の中を見たときに、「?!」「話が違うぞ!日本って何?全然民主的でないし、法も尊重されてないじゃん!!」と気づいたとすれば(私の場合です)、それは一つの達成であると思うのだ。

親の世代だと、民主主義の何たるかなど分かっていたのは本当に限られた一部の層だけだったと思われる。でも、親の世代が、よく分からないながらも、これからは民主主義で、平等なのだから、われわれ庶民の子供にも教育を与えなくては、と思ってくれたからこそ、今のわれわれがあって、「え、何これ?おかしいよ?」と気づくこともできている。

省略した半分を補填しよう、というのが自分のやろうとしていることだと最近はっきり分かってきた。

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